#400 何者でもない私たちの教科書
踊る星を生み出すためには、内に混沌を抱えていなければならない
『パラレルワーカーの教科書』という書籍が発売されました!
と、発売日(2026年7月15日だった)に華々しくお知らせする予定でしたが、ごく一部の本屋さんしか置いてないし、ネット書店では掲載はあるが買えない状況が続き、ある意味で幻の書となっておりましたので、ニュースレターからのお知らせも控えておりました。
Amazonの注文画面の在庫表示は「取り扱いできません」が続き、もう永遠にAmazonからは無視され続けるのだろう…と諦めかけた矢先、ようやくまともに相手にしてくれたようで、落ち着きました。
応援してくださったお友達には、大変やきもきさせてしまいました…ごめんね。
このあたりで買えます。本屋さんで注文していただいても喜びます!
本というものは、物体として存在させるだけでは本にならない。書店や販売ページに置かれて、誰かが注文できて、その人の手元に届いて、ようやく本としての完成です。
当たり前すぎて言葉にするのもアホらしいですが、その当たり前の裏には、登録する人、運ぶ人、在庫を管理する人、注文を受けて取次に納品する人、書店に送る仕組み、書店が本棚に並べるという仕組みがあります。それがかなり厄介で複雑なサプライチェーンになっています。
商品をつくることと、商品を届けることは、まったく別の能力が必要とされます。いわゆるいろんな業界に「大手」がいますが、大手の何がすごいかというと、それはつまるところバックエンドの「流通」。この「流通ステイクホルダーを握る力」なんだろなと思いました。コンテンツ作成が一般的になり、AIに代替されつつある今、出版社というのは、望むと望まないとに関わらず、資本としての「流通の強い会社」になるべきなのかもしれません。
この本は、「何者かになりたい」人のために書きました
『パラレルワーカーの教科書』は、タイトルから連想されるような副業ノウハウの本ではありません。
「何者か」になりたくて焦っている人。結局「何者か」になれなかったわと失望している人。
会社の外で何か始めたいけれど、何から始めればいいかわからない人。
今までの経験が、別の場所で役に立つとは思えない人。
一つの環境に、自分の全部を押し込めるのが苦しくなってきた人。
そんな人に、しっかりと自己肯定できる生き方の思想書のつもりで書きました。複数の仕事を持つことは、収入源を増やす方法でもありますが、会社や一つの肩書きや、何かの役割に預けきっていた自分を取り戻す方法でもあるのです。
いわゆる「何者」とは、完全なるオルタナティブです。
パラレルワーカーになると、めっちゃいいことが沢山あります。
ところでこのニュースレターは「リベルタス 秩序と混沌のあいだから」というタイトルでお送りしていますが、なぜ「秩序と混沌のあいだ」なのか。
会社には、秩序があります。肩書きがあり、役割があり、評価基準があり、昨日とだいたい同じように明日も動くための仕組みがある。それは窮屈なこともありますが、秩序がなければ大人数で仕事をすることはできません。
一方、人間の内側はそんなに整然としていない。
会社では使わない能力があり、仕事にはならない関心があり、急に何かを始めたくなる衝動があり、昨日まで信じていたことに今日は違和感を持ったりする。「あなたは何者ですか」と聞かれても、一つの肩書きには収まりきらないものが、いつも内側でゴチャゴチャしています。
これが、混沌です。
ニーチェは『ツァラトゥストラはこう語った』の中で、踊る星を生み出すためには、自分の内に混沌を抱えていなければならない、と書いています。
私が思うに、パラレルワーカーとは、内なる混沌をきれいに消して「何者か」になる人ではありません。むしろ、会社員である自分、企画する自分、書く自分、人の話を聞く自分、意味のわからないものに熱狂する自分を、どれか一つに統一せず、そのまま抱えて動く人です。
ただし、混沌を抱えているだけでは、単なる散らかった人です。
#心当たりしかない
内側にあるバラバラな関心や経験を、仕事やプロジェクトや文章という形にして、社会へ差し出す。そのためには、段取りや実務や責任という秩序も必要になる。
混沌だけでは、何も届かない。秩序だけでは、新しいものは生まれない。
そのあいだに立って、内側の混沌から何かを生み、それを現実に動く形へ変えていく。私にとってパラレルワークとは、そういう働き方です。
つまり、この本は「リベルタス 秩序と混沌のあいだから」の伏線を、ほぼ一冊使って回収したようなものなのです。
パラレルワーカーになると、めっちゃ目醒めます。
#いきなり
#トンデモ本かよ
まず結論書いちゃいます。
特定の業界やスキルに固執せず、状況に応じて柔軟に動くパラレルワーカーは、自分が「何者でもない」ことにより、エゴを消すことができます(というかいろんな環境を渡り歩くと、自分が謙虚になって自然とエゴが消える)。
そうすると、勝ち負けや善悪、評価といった狭い枠組みを超越した視座が備わります。その視座を持つことで、他者の評価や世間の常識に左右されない、本質的な自分への信頼が生まれます。
個別の利害関係や些細な対立に囚われず、全体最適の視点で物事を進めることもできます。これは、仕事における調整や問題解決において、非常に有効なアプローチとなります。
つまり、特定のアイデンティティに固執するよりも、かえって強い影響力を発揮する生き方とも言えます。
だから、忙しいときはめちゃくちゃ忙しいのですが、気持ちはとても軽やかなのですよ。
そんな働き方・生き方をしてみたい方への実用書です。
すでに買ってくださった方へ
たくさんのお友達と知り合いが、ご祝儀代わりに買ってくれました。本当にありがとうございます!このニュースレターを読んでいる人の半分くらいは、すでに買ってくれた方かもしれません。ここでまた「本が出ました! 買ってください!」を書くのは、私もさすがに気が引ける。
しかし、このご祝儀で一周したあとからが、本にとっては本番なのです。ここからは、本当に必要としている人にオーガニックに届けていくしかありません。
#どうやればいい
華々しい出版記念イベントなんか柄じゃないし、メディアが取り上げてくれるわけもない。知り合いもいないし。
なので、誰かが誰かに「あの本、キミに合うかもよ」と言ってくれたりすること。
一冊読んだ人が、もう一人に「そういえば」と伝えてくれること。
AmazonやSNSに、感想を残してくれること(短くてもいいです!)。
そういう小さな手作りの経路が、本の流通を本当の意味で作って行くのではないかと思うのです。
ここから先は、読んでくださった人の中から派生する流通に賭けるしかねぇ。
つまり、あの暗い無限塔から本が出た!ってことで、一緒に楽しんでくださると嬉しいです。引き続き、どうぞよろしくお願いいたします!
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