仕事で山形の飽海郡遊佐町にちょくちょく行くのですが、先週末に行った折、「歴史民俗学習館」を覗いてきました。
明治・大正・昭和にかけて使用されていた生活用具や農機具など、暮らしに密着したアイテムが、なんと約4千点も収蔵・展示されています。しかも、ほぼ剥き出しの状態です。めっちゃ触れます。お触りし放題。
明治43年に創立し、平成5年まで使われていた菅里中学校の教室が学習館として使われているので、歩くたびにミシミシという板張りの床も楽しめます。黒板なども当時のまま壁にあったりします。
遊佐町は第二次世界大戦中、都市部と比べて大きな空襲の被害がなく、多くの生活用具や農機具がそのままの形で多く残されたと思われます。大量にあるからこそ、展示もリアルに雑然に置かれているのがとても貴重です。
戦時中の衣服や鞄などもおそるおそる触ってみましたが、予想以上にしっかりとした生地だったのが印象的でした。
電話も触ってみました。右側のハンドルは動きませんでしたが、左側にある音声を聞く方は、フックもちゃんと動きます。
世界初の卓上計算機もボタン押しまくりできます。ただし、一つ押すと、戻ってこなかったり、他のところが一緒に押されたりするのは、正しい仕様なのか壊れているのか。これを使ってどうやって入力するのかちょっとわかりませんでした。
石臼を回して、大豆をひいてきな粉づくりをすることもできます。石臼、意外に軽く回せてビックリ!ものすごい生活の知恵ですね…どんな道具も、最初に設計した人はすごい。
ラヂオ屋。解説がないので何者かよくわからない。けどラヂオ配信のための何かだと思う。
ここからは、我々にも馴染みのある物も出てきます。もはや、「民俗」についての学習対象となってしまった黒電話やオーディオ機器、テレビなど。
以上は私が特に気に入ったものを紹介したに過ぎず、冒頭にも記した通り4千点も展示されているので、全部をつぶさに見ようとしたら一日時間があっても足りません。当時のものを間近で見ることは、ちょっとした人類史というと大げさですが、入口に立てる感覚になります。
当時確かに人が生きていて、日々懸命に暮らしていた時間があり、それが現在に続いているという体感覚。当時使っていた人達はもうこの世にはいなくて、未来の人間が興味深げにそれを観察して学習する。
人の営みの進化の面白さを感じると同時に、今の時代から見ると明らかに不便です。農耕具や洗濯板を前にすると、気が遠くなりそうに。ただ、毎日が「自分や家族の生活を、自分の手で継続させること」だけで時間が当たり前のように過ぎていったであろう日々を想像することができます。世の中を進化・発展させることは人類のある意味における本能だけれど、スマホや電化製品やwwwに依存してすべてを完結させる日々の我が身を振り返り、人は無能に、そして弱くなっているなぁとも思うのです。
年齢を重ねると農業やら手工業したくなる法則というものがありますが、こういう人間の「生活する」時間に、回帰したいからなんじゃないかなと思うんですよね。
🐦 X(旧Twitter):@ayakoPizumi
🎧 無限塔の秘密:Spotify / Apple / Google / Amazon / LISTEN
🎧 平日回帰Φ瑠:Spotify / Apple / Google / Amazon / LISTEN
🎧 a Quest for the New Paradigm:Spotify / Apple / Google / Amazon / LISTEN
🎧 パラレルワーカーの本音:Spotify / Apple / Google / LISTEN
☕️ 活動Link:https://linktr.ee/jediaya