こんばんは。最近トゥンク…しまくっているNHK大河ドラマ「光る君へ」について、火曜回帰Φ瑠でお届けいたします。
今年のアカデミー賞の授賞式がザワついています。私はリアルタイムでなんとなく見ていたのですが、何度もノミネートされては逃してきてやっと受賞したというロバート・ダウニー・Jrの舞台上での態度について、得体のしれない不快感を感じました。盗人から奪われたものを取り返すかのようにトロフィーをもぎ取るもんかね?と。念願のトロフィーとはいえ、ちょっと雑すぎないかと。
その後、Xやらニュースやらで、トロフィーの受け取り方というよりも、プレゼンターのキー・ホイ・クワンに対し、握手やハグもしなかった不躾な態度が、アジア人差別であるという記事やポストを見て、ああそうかと、そういうところに私も不快感を感じたのかもしれないなと思いました。
記事の影響からか、そうとしか見えなくなってしまって、腹立たしきこと限りなく、もうあいつが出てる映画は見ないぞ、おまけにオッペンハイマーってこの期に及んでまた原爆ネタで、いくら悲壮な最期をとげたとはいえちゃんと日本のことも描いてるのかバカタレ、などと口汚く心のなかで罵っておりました。
アングロサクソンによるアジア人差別についてはあまり取り沙汰されることはありませんが、アメリカ・欧州では当たり前に現存していると感じます。旅行するとよくわかりますが、普通に無視されるし、レストランに入っても客がいるわけでもないのに一向にオーダーを取りに来てくれなかったり、ちょっとしたそういう経験でも嫌な記憶として深く残っているものです(もちろんそんな人ばかりではない)。ただ、日本人は慎み深いので、そういうこと敢えて口に出したりしないのですよね。
と、アカデミー賞を見てそんなことを思っていたのですが、「この称号はグローバルな世界大会でもなんでもない」というような言説を読んで、そうだよな、とも気づくわけです。これを受賞することで有名になるし箔が付くでしょうが、あくまでアメリカのショービジネス市場における、そしてアメリカ人だけで評価されるすごくローカルな価値観の話。なので、そこでアジア人が差別されようが、アングロサクソンが不躾な態度を取ろうが、その次元の人たちがやっているお祭りごとだと思って溜飲を下げる方が良い気がします。彼らは「我、世界なり」なんて思っているでしょうが、世の中はとても広いのです。その市場を選んでいくことは、その次元での戦いに挑戦することでもあり、あらかじめ理解した上で、やりぬいてきているんだと思います。
大谷が「アメリカ」に行くことが「世界」に行くことと実質的には同義であると認識されたりしているので(そもそもなぜアメリカ国内の野球が「メジャー」と自称するのか疑問)、差別されるアジア人が人格者でもありNo1でもあるというスーパーヒーローになっている様は、見ていて爽快なものがあります。だから一試合のヒットだけで毎日ニュースとして報道される。しかし、野球というスポーツビジネスもまた、全体のごく一部の界隈だけの話です。ほかを見渡せば、同じぐらい世界レベルの人はいるわけで、アジア人なのに注目されるという価値基準を絶対的なものであるかのごとく、我々社会が暗黙のうちに作ってきてしまっただけです。
昔、そもそも「(勝ちたいなら)そもそもどの市場を選ぶのか、という選択こそが競争戦略である」と習ったことがあります。野球を選ぶのか、サッカーを選ぶのか。そこにはどんなプレイヤーがいるのか。やりたいだけならいいけど、勝ちたいならしっかり市場を分析しないといけません。そういう意味で、大谷は非常に賢いしかなり戦略的なのだろうと思います。
今回の件は、我々のような外野が「アジア人差別だ!」「けしからん!」とキーキー言っても仕方なく(言ってもいいのですが)、当の本人はそんなこと織り込み済みで、ぐっと堪えて無言で戦い続けてきているわけで、その姿を想像して勇気や元気をもらっていくことや、我が身を翻って自分も非礼な態度を取っていないか確認して、プライドを持って生きる。それが彼らへの応援になるのではないかと思います。
というわけで、単にRDJの本性が、更にアケスケになってしまったクソ事例として、私は受け取ることにしています。そもそも、アカデミー賞自体も微妙ですしね。カンヌやベルリンの方がよほどセンスある。
#キー・ホイ・クワンの笑顔は最高にまぶしかった!
#グーニーズだいすきなので
#あの人こそ悟空ばりのヒーローである
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