こんばんは。春眠不觉晓。ちょっとでも隙あらばまず昼寝。平和な4月始まりを迎えております。
現在、YouTubeでBUCK-TICK 35th記念と新曲やツアープロモーション兼ねて過去のLiveの配信をやっておりますので、今井寿氏のへんちくりんな音とパフォーマンスに包まれています。古い曲は完璧に暗唱しているのでつい口ずさんでしまい、文章が書きづらいです。
先日、半日ラジオPJに貢献してくださった方々に参加証NFTを配りました。配布作業が落ち着いたので(半日ラジオPJで一番大変だったw)、ちょっとNFT周りを脱線しながら振り返ります。
#リスナーNFTまだ余っているので、欲しい方は半日ラジオをご視聴ください
#12時間の中にキーワードありw
NFTは、Non-Fungible Token(非代替性トークン)の略。代替が不可能な唯一無二のデジタル資産のことです。ブロックチェーンという取引履歴を記録する技術を使用することで実現できます。この技術特性をいかし、デジタル資産の「所有権」を証明すること、そして売買することもできます。所有表明できる人の数を限定できるため、希少性があり、人気があるものは高値で売買されることもあります。
今回NFTを用意した目的は、コミュニティ活動の一貫として位置付けました。みんなで半日ラジオという場を共に作り上げたことを可視化して証明する・記念する・お祝いするためのNFTです。この目的においては、NFTを販売する・交換する行為は不要なので、無償配布であることが重要でした。なので、参加証明として使われているNFT配布プラットフォームを活用しました。「その場にいた証明書」として、二次元の世界で言う「お寺や神社の御朱印」や「ラジオ体操のスタンプカード」のようなものと思ってください。時折眺めてニヤついたり、集めて楽しんだり、とそういうやつです。
#平和
半日ラジオを企画したコミュニティはWeb3コミュニティではないため、配布にあたってもみんなで一緒にイチからやるのが面白いだろうなと思い、3回ぐらいに分けて、メタマスクのインストール・初期設定からBCネットワークの追加等、みんなでzoomを繋げてやりました。メタマスクのUIが完全に玄人向けなので、概念的な理解が必要なところは説明を追加しながら順を追ってやっていったものの、操作が直感的にやりづらかったり、スマホがおかしくなったりして、かなりのカオスに。何をしているのやらわからないままだった人も中にはいたのでは…。
そして、転売もできないというイラストがスマホに表示されているだけ、みたいに思った人もいるかもしれません。
実際、手順が最後まで終わって、NFTが手元に来た結果、
「で?」
という戸惑いの反応とともに、そのまま淡々と作業だけして帰られた人もいました。一方で、
「おお!これが!!」
と感嘆してくれる人もいました。
このあたりは、実際に手で触れられる固形物以外を、つまり見えないものを見ようとする感性や感受性や想像力に依るところかと思います。個人差があるのも否めません。
#「ソフトウェアはタダでしょ」みたいな話とつながる
#見えないものの価値ってつながりを想像しないとわかりえない
▼ソフトウェアってタダでしょ?的なものに対する骨太反論の三部作
日本の技術劣化とサービス収支赤字の問題について
・前編:日本のIT業界の構造問題
・中編:丸投げされて儲けているなんて言われると脱力してしまう
・後編:連帯無責任
さて、今回の「NFTの参加証」における手法と、少し関連する話をします。
その場にいたことを証明する方法 ㊞
NFTは一旦置いといて、本人確認技術と入場券(チケット)を組み合わせた電子チケット「チケプラ」というサービスがあります。
最近ライブに行った方は、この電子チケット(または類似のサービス)でチケットを受け取った方も多いと思います。
簡単に言うと紙のチケットの電子化。スマホに入った個人情報(名前や写真)と紐付けて入場時に係員が「目視本人確認もぎり」をします。不正転売ができないようになりますが、公式サイトでリセールはできます。
ここで強調したかったのは、このチケプラが、その場にいるのが確かに本人であることを確認するために顔認証を追加し、顔パスできるしくみをつくり、それを商用導入したのがBUCK-TICKが第一号だったということです。
#さすがリスクある選択をよくしたものだ
#新しい試みのせいかなかなかチケット来なくて焦ったよ
当日までリセールできるチケプラ顔認証導入!「BUCK-TICK」有観客ライブ、武道館公演で実施(2022年1月14日)
チケプラではこれまで、扱うチケットの購入情報と、追加でご登録いただく「顔画像」のデータを連携することによって、電子チケット券面上に「顔画像」を表示することでの目視本人確認もぎりを展開してきました。今回の“顔パス”システムではその流れはそのままに、もぎり時には手ぶらで入場をすることが可能となっています。
“顔パス”での入場ではありますが、チケットを表示しイベント特有のスタンプが押印されますので、従来通り手元に思い出を残すこともできます。こちらは弊社独自のスタイルです。また、顔認証により強固な本人確認が可能となったことで、これまで以上の不正転売防止も目的としています。
購入者および同行者のスマートフォン端末で受取りを行うため、チケット忘れや紛失の心配もありません。また、電子チケット券面に顔写真が表示されるため本人確認の証明となり、顔認証入場システムによりコロナ禍において非接触で安全・スムーズな入場ができるチケットとなっております。
PoCの時の顔パスの様子はこちら(コブクロのLiveで実験)
私は初回導入された1月の日本武道館には行っていませんが、2回目で導入された9月の横浜アリーナに(超久しぶりに)行きました。この顔認証システムが入っていることを知らなかったので、入り口でスマホを見せることも不要で、顔認証だけで通過できたことにだいぶ面食らいました。なんかズルして入った人みたいだなと慌てたのですが、スマホのアプリを見たら、さっきまでなかったスタンプがいつの間にか押されているという!
#おばさんびっくり
各アーティストが独自アプリを用意していれば、そこにチケプラが組み込めるSDKも用意されています。なぜか知らんけどBUCK-TICKはそこまでやっているw
現地で生体認証をすれば、電子チケットだけの時と比較し、その場にその人が本当にいたことをより確実に証明できることになります。来場証明が残るのはまぁまぁ嬉しいものです!
私が配布した参加証NFTは配るのも受け取るのもだいぶ煩雑だったので(色々工夫すれば簡単なやり方はあるものの)、顔パスでNFTがもらえるしくみがあるとかっこいいなぁと思ったのでした。そしてチケット確認係の人も楽だし確実だし、これは素晴らしいなぁ!と思ったのですが、横浜アリーナ入口までの誘導・導線がひどくて、雨の中で40分ぐらいアリーナをぐるりと一周させられました。次はこの行列をどうにかして欲しいです。
#なにかにつけ文句を言う
さてここまではカワイイ話。
次にこの顔認証+電子チケットに加えて、NFTを組み合わせている動きも出てきている話です。
「来場証明NFT」がじわじわ広がる 推し活の新たなビジネスモデル
来場証明NFT付チケットは、参加者が事前に来場者登録を行ったチケットを持参し、入場時に本人認証を行うことで来場証明NFTを取得できるもの。「本当に来場した」ファンだけが取得可能であり、この証明がデジタルアルバムに保管されるという。
その他、Webサイト上で商品を購入したとき、他の人に商品やサービスを勧めたときなど、チームやアーティストなどに貢献するあらゆる活動においても活動履歴を保管できる。
「これまで『ファンがどれほど貢献してくれたか』の記録は難しかったと思います。それを明確に残すことで、貢献度が高いファンに対して限定のグッズを発売する、イベント抽選の当選確率を上げるなど、新たなファンビジネスの展開が可能になります」
取材中、伊藤氏は「ファンダム」という言葉を連呼した。ファンダムとは、愛好家を意味する「fan」と管轄、状態、集団などを意味する接尾辞「dom」を組み合わせた造語で、熱狂的なファン集団によって形成された文化を指す。
ファンダムを持つアイドルやアーティストは、ファンが自主的に応援してくれる事業パートナーのような存在になっているという。伊藤氏は、こういったファンとの共創関係がスポーツやエンタメ業界で盛り上がりつつあると主張する。
ファンダム。。貢献度の高いファンに対して限定のグッズを発売、抽選の当選確率を上げる…なるほど、たしかに貢献度の高い人に対しては何かしてあげたいですもんね。ただ、これ一歩間違えるとステマに近くないですかね?
ここまで狙ってしまうと、どんだけの💴をファンに投資させようとしてるんだ…と戦々恐々としてしまいます。「事業パートナー」モデルのコンセプトは理解できますし、推し活をするファンとしては関われるのは嬉しいでしょうが、中にいる人が本当の根幹に関わらせようなんて思ってないと思うしw、きっとSNSでの拡散やお金を期待しているのが本音なんじゃないかなと思うと、ホストクラブでホストに大金を貢ぐ女性の姿とか、壺を売る新興宗教のようなものが頭をよぎりました。(特に、NFTとか触れないから余計に…w)
あと、ファンクラブに入ってたり、推し活してなくても、たまにはいい席でライブ見たいんですけどね。その方が、新たなファン層を開拓すると思いませんか?それとも、既存のファンをずっと優先し続ける方がコスパが良いのだろうか。
このNFTなどを活用したファンダム、ユーザの感情を強く揺り動かすことができますし、夢中にさせてハマらせるゲーム的側面も持たせることができます。そうすると、課金ゲームや新興宗教や過度の水商売ビジネスととにかく表裏一体の危うさがあるので、行き過ぎは気をつけて欲しいものだと思います。あと、NFTやWeb3は魔法の杖や打ち出の小槌ではないので、アーティスト以外でファンダムを作ろうとしてもなかなか難しいとも思います。今ちょうど幻滅期らしいですw
自分で色々プロジェクトに入ってみると、なんとなく界隈のニオイがわかってきます。NFTメインのDAOは、NFTのAL(Allow List)に載る条件として、色んな貢献を”自発的に””無償で”させていたりする傾向が多いです。んー、それってまたどうなのかね。
ファンからパートナーへ
価値の創造、共造、参加して貢献すること
それがWeb3時代の日本のNFTの真骨頂なのです
イケハヤはこう言ってるようですが、みなさんどう思いますか?
やはり、誰が何の目的でやっているのか?がすごく重要だと思ったりします。アーティストが本当に望んでいるのか、それとも周りのスタッフの企みなのか?
こういう手法は、社会課題の解決とか、地域創生とか、あとはホントに食べていけないアーティストとか、そういう方々にヘルシーに活用されるのがいいのになと思うんですけどね。
▼と言いつつ、ちょっと前までNFTスキームに興奮していた私
明日からいよいよ4月の平日がスタート。新しい環境に飛び込むみなさん、どうかリラックスして気張ってくださいまし!
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