こんばんは。あれ?気づいたら年度末日じゃないですか…。3月を共に乗り越えてくださり、ありがとうございました。怒涛の日々でした。毎年こうなるのかなと不安に震えます。
そして、3月中にポートフォリオ戦略を見直すと宣言しましたが、私はギリギリ族のパツ山パツ太郎。そんなことできるわけがないので、しばし棚上げしたいと思います。
▼むなしい宣言はこちら
さて、今日は騒ぎがありましたので報告します。なんと、BUCK-TICKが28年ぶりに来週2023年4月7日(金)のテレ朝のミュージックステーションスペシャルに出演することが決定したんですね。
彼らは一部の期間を除き、殆ど活動休止はおろか、メンバーチェンジすらせず、コンスタントにアルバムを出し続け、ロックシーンの第一線を走り続けた非常に稀有なバンドです。しかし、ミュージックステーションには何故か28年間も出演していませんでした。
最後の出演はジャスト28年前の1995年4月7日(!)です。この回はファンの間では伝説の回として記憶しております。ミュージックステーションというのはご存知の通り、楽器の生演奏はされずヴォーカルだけ生撮りという、いわゆるカラオケ形式です。なのですが、普通のミュージシャンというのは一般常識のもと楽器を「弾いているフリ」をしています。しかしBUCK-TICKは、というかギターの今井寿氏は、一切弾いているフリをしなかった、むしろ弾いてないというアピールを露骨にしたという事案があり、ファンの間ではそれが原因でミュージックステーション出禁になったのではないか、と「微笑ましく」噂をしておりました。
真偽の程は定かではありませんが、ファンにとっては「微笑ましく」というところがポイントです。この弾いているフリをしないというのは彼の主張であり、テレビという商業主義メディアへの反論であったわけです。ファンはそこも含めて、彼のフォロワーでした。
BUCK-TICKの中核をなしていた今井氏は、当時から自分たちの立ち位置のわだかまりと、音楽シーンに対する腹立ちを持っていたと思われます。濁流のように押し寄せたバンドブーム、そしてアーティストを食い物にしようとするレコード会社・プロデューサー・広告代理店・そしてマスコミ達、そしてそれらを含めた腐った日本の音楽シーン。これらを暗喩する歌詞をよく書いていました▼
”俺は一人、金魚ばかりのうるさい魚群(カタマリ)から脱け出す雑魚(ザコ)”
プロデューサーやレコード会社に言われるままにキラキラと着飾って、みんなの前で愛想を振りまくアーティストたち(金魚ばかりのうるさいカタマリ)。それに対する完全なるアンチテーゼ。自分はそんなヤツラとは違う、好きにやらせてもらう、異端(雑魚)でいい、という姿勢を貫いていました。
#私もだいぶ感化されている
なので、彼の良き理解者であるファンは、カラオケ(ミュージックステーション)で弾いているフリをしている今井氏を見て、言行一致の素晴らしさを感じたものです。
なので、出禁なのではなく、そういった環境から自ら決別していったのではないか、と思うのです。
▼0:55あたりのギターソロの時間帯に注目w
#「両手離し奏法」と界隈で呼んでおります。
#ギターソロの時間帯でわざとチューニングをしはじめるw
この1995年頃を境に、いわゆる世間的なヒット作は少なくなり、商業的なタイアップもほぼなくなりました。彼らは世界観を徹底的に掘り下げて体現し続け、毎回衝撃を受けるほどの進化を遂げ続けていて、限界という文字がないのか?という状態なのですが、反比例するように一般受けはしなくなり、表面的な部分だけ(ヴィジュアルの良さなど)を見ていたファンは次第に離れていきました。それでも世間に迎合することなんて、私が知る限り一度もなかったんじゃないかと思います。なのに、ずっと第一線って、謎すぎませんか?
ちなみに私は、これまでずっと追いかけていたのかというとそうではありません。彼らに「ついていけなくなった」感覚を持ったことは一度もないのですが、ライフサイクルの中で、大学受験やら、それが終わったら就職活動がやってきて、「一般的なマジョリティの社会システム」にどうにか馴染もうと藻掻いていた時期だったので、いったん中二病を捨てて、1996年から2000年初頭ぐらいまでは、殆ど彼らをフォロー出来ていなかった時期でした。それがちょうど、あまり商業的に目立たなくなっていた時期とも重なっています。
なので、その頃出たアルバムは、今に至るまでたまたまチェックする機会もなかったのですが、実はものすごい名作が隠れていたことを先日知り、23年後の今、めちゃくちゃヘビーに聴いている、という感じで時空を越えて楽しんでおります。
もう一つ面白いのが、彼らの関係性です。変態で異端で鬼才、毎度尖っているのは実は今井氏一人で、ヴォーカルの櫻井氏はフロントマンとしての責任もあるのか露骨な反骨的表現はせず、むしろひたすら自己否定を繰り返して闇に入るタイプ。もうひとりのギターの星野氏は自己主張ゼロ、時折とてつもなく一般受けする名曲を出してヒットを飛ばす何を考えているのかわからない謎の男。ドラムとベースは兄弟で、いつも喧嘩をしているのですがライブになると黙々と基盤を支えるリズム隊。
こんな不思議な5人は、高校で「たまたま駅前の今井んち(家が小売店)の部屋に溜まっていた連れ」から始まり、そこから何十年も動物の群れのように一緒にいて(つまりベタべタしているわけではない)、今井氏のぶっ飛んだ原曲に文句も言わずに付いていき、淡々と粛々と毎回完全に新しい、誰も聴いたことがないような作品をコンスタントに作り続けている。そして基本全員が極度の人見知りという、なんというか、奇跡のこじらせ5人組なわけです。ファンとしては愛するしかない。
他の数多いるバンドを見て下さい。だいたい活動休止しているか解散しているかメンバーチェンジしているか雲散霧消しているか、です。一人ひとりに自我があると、そりゃ気も合わなくなって解散だってします。
でも、なんなんだろうあの5人は。
私は中2で出会ったときからリスペクトを続けているわけですが、こんなに私の人生を彩ってくれて、感謝しかありません。社会のマジョリティに迎合せず自分を表現し続けろとか、異端であれとか、実験し続けろ、など、彼らの生き様から私は勝手にそういう無言のメッセージを浴び続けてきたおかげで、会社員を辞めるという一歩を踏み出せたり、人並みな幸せがなくてもまぁいいかと思えていたりもしています。
そんな彼らが、28年の時を経て、ミュージックステーション(カラオケ)に出るといううのです。ファンとしてはザワつく以外ありません。果たして、今井氏の両手離し奏法は繰り出されるのか??タモさんと、ちゃんとおしゃべりできるかな?来週がとても楽しみです!!
明日から4月。環境が変わる方も多いと思います。特に何の役に立たないニュースレターを今後も私欲のままに配信してまいりますので、みなさまにおかれましてはご自愛の上、引き続きご愛読のほど、まだの方は是非ご登録をよろしくお願いいたします!
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ミュージックステーション楽しみやな!!!