こんばんは。昨日のPodcastでお話した通り、「脇役を愛でて学ぼう」と思ったので、昼間からでんでん氏出演の問題作「冷たい熱帯魚」を見ました。監督が園子温というところから嫌な予感しかなかったですが、実話に基づいた非常に恐ろしい連続殺人サイコキネシスおじさんの話で、でんでんの演技は圧巻だったのですが、愛でるどころではなく、非常に気持ち悪くなり、しばらく寝込むという名の昼寝をしておりました。
#結局昼寝
#でんでん演じる村田が死んだらすぐに停止ボタンを押してそのまま
#これからの人生で二度と見ないだろう
まだ受けたダメージが回復しておりません。疲れてる時に見てはいけない映画です。作り話ならまだいいのですが、これが実話って…そして、あまりにもありのままに描きすぎです。
私は自分のことをオタクと自称していますが、岡田斗司夫先生の今日のUpgrade動画「デッド現象知ってますか?~腐女子の分断とオタク・イズ・デッド」を見て、「オタク」というものはもはやDeadなのだなということを認識しました。
あらゆる文化は4つの段階で変化していくそうです。初期段階のオタクというのは好きであることに知性が必要であるにも関わらず、恥じらいを持ち世を忍んでごく内輪だけで楽しんでいるわけですが、徐々に後期になると市民権を得て一般化・大衆化されていきます。人生で最も自身に影響のある「14歳」の時に好きになったものがどの段階にあるかによって、その文化への思い入れのあり方というのが決まって一生を左右し、後から好きになった人たちと相容れない、同じ文化なのに論争が起こってしまうのだそうです。
私が自称「オタク」と称していることの解像度を上げると、14歳で好きになったあんなことやこんなこと(詳細は割愛)は、ちょうど軒並み第二段階ぐらいだった文化ばかりで、今の私はそのまま第二段階に留まり続けているということがわかりました。なので、オタクと自称するよりは、やはり中二病の方が的確な表現なのかもしれません。
その文化自体が第四段階まで変化していたとしても、好きでい続けるものもあったり、変わってしまったな〜と次第に離れたものもあります。確かに、第四段階を見て好きになった人とは、好きになるポイントや、何がイイのかというコアの部分が全然違うというのもよくわかります。私は好きなものをテーマにしたコミュニティの中でやりとりをしながら楽しむタイプではあまりないので、喧嘩する等の問題が発生しているわけではないし、「分断」を問題提起したいわけではありません。
フォーカスしたかったのは文化の中心にいる造り手側の方です。例えば尖っていたロックバンドが、第三段階に差し掛かる頃に民意を汲んで自分たちを大衆化していく様を見ているのは、大事なものを奪われたようで悲しいものがありました。
#多分本人たちも葛藤があるに違いない
一方で、徐々に市民権を得ながらも、第一・二段階のいわゆるコアさをある程度維持しているorさらにコアさを発展させている文化もあります。当事者や取り巻く人達の自由意思の強さのなせる技だなと思います。一般化する方が簡単だし市場が大きくなって懐は潤うのに、「それをするぐらいなら死んだほうがマシ」というスタンス。経済的には非合理極まりないのですが、「何のためにやっているのか」という理由と行動がブレないことは、不器用だけど最高にかっこいいし応援しないとなと思います。これは「昔は良かった」という懐古主義でいたいという意味ではありません。
コアを変えずに、易きに流されず、でも拡大発展させていけている(変化させないわけではないけど、変化の矛先が一般迎合ではない)文化というのは本当に稀有です。私が14歳で出会ったものの半数ぐらいはそういうものがあり、いまだに私が中2病なのはそのせいだと思います。だいたい、メジャー化して変わってしまったものが多い。
ただ、世の中には本当に変化しなさすぎて存続の危機に瀕しているような伝統文化・アートなどもあり、それは問題です。文化集団を形成できる以前に認知自体が足りないことが多いので、表面的な部分の見せ方を変えていき、一定数のファンの母集団を作っていくことが大事だなと思います。
一般化する文化を形成することは良い面もあるのでしょうが、なんとなく同じようなものが増えているというものもあります。わかりやすいところでは、地下アイドルから始まった坂道??系のアイドルとか良い例なんじゃないですかね?もうさっぱり、何がなんだか、全く区別がつきませんという感じですが、テンプレート化されているので量産ができて、経済的には成功なんでしょう。果たして、それで本人たちは嬉しいのかはよくわかりません。
というわけで、みなさんが14歳(中2)で好きになった文化は、どの段階にありましたか?その文化は今どんな変遷を遂げていますか?時系列で思い返してみるとその文化を維持してくれている人たちに対して、改めて感謝できるかもしれません。経済的なバランスと文化のコア。大ヒットなんてしなくてもいいから、スタンスを守って普通に生きていくという人が私はとても好きです。
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私が14歳で好きになった文化は「洋楽」でした。小学生まではアイドル、邦楽万歳だったのだけど、14歳の米国旅行時に洋楽に触れて音楽嗜好が変わりました。
最近になって、当時聴いていた曲を聴き直しして、心地よいと感じる一方、洋楽内の自分好きな各ジャンルの「その後」の流行曲が好きかどうかを改めて自分に問いてみると、ジャンルによって「好き」「嫌い」が分かれたので、「おおー、自分の感覚が面白い」と思いました。