こんばんは。なんだか今日は生ぬるい関東でしたが、夜になって急に冷え込んできました。明日からまた冷え込むみたいです。
本日、お客様先に行くための電車の中で、松本零士先生の訃報が飛び込んできました。見た瞬間にものすごい喪失感が全身を襲い、ツツーと涙と鼻水が出てしまい大変でした。
心よりお悔やみ申し上げますとともに、謹んで哀悼の意を表します。いつまでも元気で作品を描き続けてくださった先生、すごい世界に私を連れて行ってくれて、本当にありがとうございました。
今、Huluで見れるみたいです。未見の方、ぜひ楽しまれてはいかがでしょうか。
私は松本零士作品のドンピシャ世代ではなく、幼少期に過去の作品を後追いしたタイプです。999を初めて見た時の衝撃はよく覚えています。眼が釘付けになって離れませんでした。
空中に浮いた線路をけたたましい汽笛とともに走り抜けるSL超特急999、機械の体を手に入れるんだとどうにかして999に乗るために懸命な鉄郎、それを誘導するでもなく傍にいる謎の美女メーテル、常にコミカルな車掌さん。。
松本零士先生の凄さの一つは、この”絵面”の力ではないでしょうか。一瞬で引き込まれて目に焼き付いて離れない魅力があります。
私が初めてみた時は幼少期だったので複雑な人物設定をよく理解できていなくて、少年がただその頑張ってる姿とか謎の美女の姿とかに、ひたすら心震わせていました。大人になってからよくよく作品を見返して、理解度は増しましたが、メーテルの体が人間なのか機械なのか、鉄郎の母親にそっくりなのは何故なのか、未だ謎に包まれたまま、なんですね。
メーテル
星野鉄郎を銀河超特急999での旅へと導き、共に旅をする謎の美女。母親は、機械帝国の女王プロメシューム。父親は、反機械化世界を目指しているドクター・バン。母プロメシュームの命により「機械化惑星を強化する部品とすべく、鉄郎を始めとする数多くの意思強固な青少年たちを集める」という役目を担っていた。だが、それは同時に父親による「機械化惑星を破壊すべく、多数の同志をその中心部へ送り込む」という作戦のための行動でもあった。
この相反する2つの目的を同時に背負いながら鉄郎と旅をしている。
愛する父と母の思いが強すぎるだけでなく、その思いが真逆という、その中で静かに葛藤を続けているという、なんともすごい設定で、メーテルの言動がよくわからず幼少期は混乱していたのですが、なるほどこれが原因だったのか、、と後からわかりました。
#こんなん抱えてたら病む
追悼ニュースも色々出ていましたが、興味深かったのがこちら…。
北九州市出身の先生なので、九州愛が強く、メーテルのモデルは九州の女性ということなのですが、「九州の女性は普段は優しいが、怒らせるとおそろしいですよね」と仰っていました。笑 無邪気だし実直なところがいいんですよね。アニメのテーマも全てストレートでわかりやすかった。
自分の血肉となっている作品を作ってくれた方がこの世を去ってしまうのは本当に、自分の一部がもぎ取られたような、そんな感覚になります。でも、松本零士先生に限っては、「きっと999に乗って宇宙を旅してるよね」と、みなそう思って疑わない。本当に999に乗って地球を見てくれているんだと想像ができます(もう絵に浮かんでいる)。なぜでしょうか。
一つ考えられるのは、銀河鉄道999では「永遠の命」vs「限りある命」という、どちらが人類にとって幸せなのかという大きなテーマがあったことです。先生は作品で、鉄郎に旅をさせて、出会いと別れを通じて、その答えを追い求めさせてきました。
私の解としては、限りある命であっても、永遠の命なのだと思っているのです。その意味で、人は永遠の命を持っているんじゃないかな、と思ったりしています。
#意味がわからないですよね
バタフライエフェクトについて以前Postしましたが、あれを想像していただくとわかりやすいと思います。「過去に行ったことが、現在の波になっている」は紛れもない事実であり、ということは、個人は死んでも生きた形跡としての「影響の波」が残り続けていくということだと考えています。つまり、死んでも生きている、そういうことではないかなと思うのです。それがエネルギーにもなっているんじゃないかな、と。
劇場版銀河鉄道999のラストで、旅を終えた鉄郎が聞いた、「もう会えないのか?」に対して、メーテルが言った別れ際のセリフがあります。
そして、上の動画でも引用されている通り、松本零士先生は、
「人は生きるために生まれてくる」
と仰っています。
ん?どういうこと??と一瞬思いませんか?
思うのですが、この二つのセリフとか、999のテーマをよくよく考えて、腑に落ちる感覚があります。
#伝わってますかね
もう、「生きる目的」とか「生きる理由」とか「生まれてきた意味」とか、人間って究極的にはそういう厨二病的次元の話じゃないんじゃないかな、という気がしてきている昨今です。
さて、、、
さよなら銀河鉄道999のエンディングテーマが、「SAYONARA」という曲でした。これを聞くと作品のラストを思い出して涙腺崩壊するわけですが(同じ人がコメント欄にたくさんいるw)、今日はこの曲を久しぶりに聞きながら、松本零士先生のことを思って寝ようと思います。
この劇場版は賛否両論あるのですが(本当は原作にはないとか大人の事情で作られたとか)、私はこれが初999乗車体験だったので忘れられない切ない作品です。
さようなら、先生。そしてまた会う日までお元気で!!
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