みなさん、読書はお好きですか?私は徒歩圏内に図書館がないので、本は買って読んでいるのですが、今数えたら月に15冊ぐらい買っていたので、予想以上に多くて若干ひいてます。
#たまに友達と貸し借りもします
#最近はガンの本を貸しました
#ガンの本を貸し借りし合うおばさんズ
しかし大変残念なことに読書感想文を書くのが小学生の頃から苦手で、要約力も低いので、こんなん読みましたけど〜、と考察記事をかっこよく書くことができません。できる人に憧れます。
私の場合、頭の中を整理したりメモをとりながら読むというよりは、複数の本を同時並行でぶわーっと読んでいるので、心に残ったポイントが脳内に大量に残り、勝手にシナプスができあがり、変な持論ができあがる、あるいは勝手に抽象化して共通概念を見出し、あまり賛同されない奇妙な持論ができあがる、というパターンになります。
心に残ったポイントを一つ一つをネタ帳にすぐ書き留める、ということをすれば、人生もっと豊かになると思います。ネタ帳を持ち歩いている人を尊敬しているので、真似した時期もあったのですが、後から自分が書いたキーワードを読んでも、チンプンカンプン(それが逆に面白くもある)。私の場合は、かなりの量のナラティブ(文脈)ととも心が動くタイプなので、キーワードでは全く意味をなさないなとわかりました。とはいえ要約力もないので、短文でエッセンスを抽出してメモすることもできず、結局ネタ帳作戦は続きませんでした。
そんなことを考えていると、好きで見ているNHK渾身のシリーズ「映像の世紀」の新シリーズ「映像の世紀 バタフライエフェクト」を連想して思い出しました。ちょうど今日も年末分の録画を見たのですが、貴重なフィルムアーカイブがリマスターされた上で沢山見れるので、是非見て頂きたいのです。このバタフライエフェクト、番組のストーリーに論理性が欠けていてツッコミどころもありスッキリせずに終わるな、という印象を持ちました。つまり、わかりやすいエンターテイメント映画のようにロジカルに作ってないように見受けられたのです。それこそ、さすがNHK、なのです。
#見逃し配信やオンデマンドだと著作権の関係で貴重な映像が流れないときがありますのでTV録画がオススメ
蝶の羽ばたきのような、ひとりひとりのささやかな営みが、
いかに連鎖し、世界を動かしていくのか?
バタフライエフェクトをコンセプトにしているので、今となっては有名な歴史上の人物たちの、無名の頃の「ささやかな営み」が連鎖して、人と世界が動いていくさまを切り取ってくれています。今の所、負のループに着目したと言うより、バランスループとして描いているように思います。
何度かポッドキャストでも話題にしているのですが、私は最近この「論理性のない出来事だが、後から考えると全てつながっていた」というのに琴線が震えることが多くなりました。
#なんだか厨二病すぎて恐縮ですが
何が言いたかったのかというと、読書を通して人々が作ってくれた過去の思いや知恵が自分の中に静かに蓄積されていき、それを汲んで自分も新しい持論を持てるようになっているな、と思ったのです。
そう考えると、自分の思考とは、世界中のすべての人そのもののではないか、と思えてきたのです。「私と他の人」は別物の個体であるという境界を絶対的なものとして私達は生きていますが、思考に限らず、身の回りのものすべて、自然や人のおかげで存在しているし、例えば食べれる物は食べたらその存在がこの世から消えたように見えますが、形を変えて自分の中の筋肉や脂肪に形が変わって自分を成立させているものです。
#最後はうんちになって
ちょっと頭がグルグルしてきましたが、何が言いたかったかというと(2回目)、私達は大きな一体性の中に実は生きていて、この世の中の構成要素の一つとしての自分が考えることや行動することは、必ず何かしらの影響を他に与えているということです。たとえダラダラ過ごしていようとも、息をしているだけだったとしても、です。
#ずっとNetflixを見ていたとしても
#ずっと昼寝をしていたとしても
#あの日あの時あの場所で
#君に逢えなかったら
バタフライエフェクトを見て爽快感がない理由も、人が世界に及ぼす影響というのは、論理的で合理性の高いわかりやすいものではない、ということがわかった上で描いているからなのではないかなと思うのです。逆の言い方をすると、この世界では、Aをした結果Bになったという直線的な変化は、実はほとんど起こらないのではないかと思います。でも私達の行動はいくら小さくとも、絶対に何かに影響をしているはずです。大小さまざまな、複雑な要素が絡み合って捏られて、原因と結果の小さなつながりが相互に無数に連鎖することで、物事が変容し結果が生じているのではないでしょうか。
そういう大局観に立っていくと、禅 -zen- の世界にも入っていきそうに見えるでしょうが、スピリチュアルに傾倒しているわけではなく、たまにはこういう感覚に自分を置くのが私には合っているんじゃないかなと思っています。
#なんとなく
#そのうち仏門に入ってもいい
ちなみに「映像の世紀」は当初1995年から1996年の間、つまり私が高校生の頃に放映されたシリーズで、生物Aの先生がこれを延々と見させて感想を書かせるという手抜き授業を繰り広げていました。
#なぜ生物A
#ある意味深淵なメッセージだったのか松井先生
加古隆さんが作られたテーマ曲「パリは燃えているか」は、今回の新シリーズ「バタフライエフェクト」でも使われています。これを聞くだけで、当時戦争の無残な映像を思い出し、ゾワゾワした感覚に陥ります。でも人間の良い面も表しているような気もしていて、素晴らしい音楽です。
ところで、この「パリは燃えているか」というタイトル、どういう意味だろうと思って調べてみたら固まってしまいました。
映画「パリは燃えているか」の中で、第二次世界大戦でドイツ軍が占領地パリを解放する時にアドルフ・ヒトラーが言った言葉だそうです。もともと画家を目指していたヒトラーはパリに強く執着をしていたそうです。ノルマンディーに連合国軍が上陸してパリが危うい状況となると、降伏する前に、パリを失うくらいなら徹底的に破壊してしまえ、跡形もなく燃やせと、ルーブル美術館やエッフェル塔を爆薬で破壊する命令を出したそうです。 しかし、ドイツ軍のコルティッツ将軍は実行せず降伏。ラストシーンで、投降したコルティッツ将軍の部屋の、通話状態となった電話の受話器から「Brennt Paris ? (パリは燃えているか?=命令どおりに破壊したか?)」というベルリンにいたヒトラーの声が響き渡る、という名シーンがあるそうです。史実だそうです。
このニュースレターの一つ一つもきっと何かのバタフライエフェクトになるはず。また明日お会いしましょう!おやすみなさい。