昨晩寝る前に、Netflixで最近配信開始された「今際の国のアリス」シーズン2をちょっと見ていたら(山崎賢人氏が好き)、山Pこと山下智久氏が全裸で登場したので夜中にびっくり。その肉体美にニヤニヤするというより、よくこの仕事を受けたもんだなと彼の自信を感じました。全世界に全裸が同時配信。世界を目指す人は気合が入ってますね。
山下智久氏といえば、私の大学生の頃のアルバイトを思い出します。
大学時代の私は渋谷のNHK放送センターの報道局国際部で記者さん補助のアルバイトをしていました(人に説明するときはわかりやすく、記者さんの雑用と言っていた)。大きな事件や事故がある時はバイトすら大忙しで、お手洗いにも行けないほどになるのですが、暇なときは漫画を読んだりアルバイト間の連絡帳(SNSのノート版)を読んだり書いたり、記者さんと雑談をしたりと、とても楽しいアルバイトでした。
おそらく今とはニュースセンターの設備もツールも全く違うと思いますが、当時の国際部における日本本社側での速報ニュースの情報源は、各国の特派員からの情報よりも、共同通信社や時事通信社、およびロイター通信のような世界の通信社から絶え間なくFAXで送られてくるニュースが最も早かったと思われます。共同通信社のニュースは、トイレットペーパーの形をした巨大な感熱紙ロールがセットされた特殊装置から、タラタラと四六時中ニュースが紙で流れてくるので、それをちぎって仕分けしてデスク(その時間帯のニュースの編集責任者)に即座に渡すという作業が仕事の一つでした。この仕訳け作業、今になって誰かに話すと、「それってキュレーションじゃ?」なんて言われたりするのですが、ただくだらない情報を削除していただけに過ぎません。
大きめのニュースがあると、共同通信社の装置から「ピーコ」が鳴り、「共同通信からニュース速報です・・・」という男性の声のアナウンスがあり、FAXだけでなく音声でショートニュースが読み上げられます。みんな手は動かしながらも聞き耳をしっかり立てていたように思います。
ちなみに、「ピーコ」とはこれ。
映画「クライマーズ・ハイ」では、緊急版ピーコ(緊急の場合は鐘の音になる)が流れ、突如居室が静まり返り、「東京発大阪行き日航ジャンボ機が横田基地の北西数樹40キロがレーダーから姿を消しました。」というアナウンスが流れた後、一気に人が口々に声を出し始めるシーンがありました。臨場感のあるシーンです。ちょうど予告編にニュース速報のシーンが少し入っていました。
私が働いていたときも、同じようなシーンが何度かあり、今日は忙しくなるのか・・と武者震いをしたことを覚えています。もちろん、良いニュースではないことが多かったので、不謹慎な表現かもしれませんが。
大きな事件事故があると、ニュースの編集現場は混沌とした緊迫状態になり、次の放送枠にニュースを間に合わせるために、怒号のような指示が飛び交います。沢山の情報から、視聴者に伝えるべき正確な内容を厳選し、間違いのないように、正しく、わかりやすく原稿にまとめていく。それも短時間に。その流れの中、海外支局にいる特派員を呼び出せとバイトの私たちに指示があり、国際電話をかけるのですが、特に紛争地域の近くにはなかなか電話が繋がりにくく、ものすごく冷や汗をかいたのを覚えています。普通の携帯の電波が通じないところは、インマルサット社の衛星電話を持参している記者さんが多かったのですが、これがまた肝心な時に繋がらないんですよね・・・。
このアルバイトの経験から、私は「混沌とした状況から活路を見出して切り抜ける」のが好きになりました。アルバイトの仕事ですから、そんなに重要なことを任されたりはしなかったと思います。しかし、当時のアルバイト仲間(今ではみんな立派な社会人)とたまに集まった時には、電話が繋がらなくてマジで焦ったということが繰り返し話題にあがりますので、みんなヒリヒリとした緊張感を楽しんでいたのだと思います。
そして、今日は大晦日ですが、NHKの大晦日といえば紅白歌合戦。この日にシフトに入ると、時給が少し上乗せになる上に、隣にあるNHKホールに移動する途中の歌手に会いやすいということで、楽しみの一つでした。(今年は、仕事で知り合った方がけん玉ギネスに挑戦するために紅白に出場するとのことので、ハラハラしながら画面から応援したいと思います。心臓に悪いわ・・)
ところで冒頭の山下智久氏の全裸から、なぜNHKアルバイト時代を思い出したのかというと、ジャニーズJr.の皆さんはよくNHKにいらっしゃっており、個人的には山下さんを特によく見かけたのです。NHKの入り口にはいつもファンの方々が待っていて、手紙やプレゼントを渡されていました。ジャニーズJr.は電車で通う決まりだったようで、みんな歩いて局まで来ていました。車で移動しない分、ファンも接点が持ちやすかったことでしょう。
これはかれこれ25年ほど前の話になります。今は、ニュースの現場も様変わりしているのでしょうし、取材の方法も情報の取り方も変わっているでしょう。そしてカワイイ少年だった山下智久氏も筋肉バキバキの大人の男になっています。
時は流れますが、様々な経験が一つ一つ、己の肥やしになっていることに気付かされます。来年も変わらず、私の大好きな混沌と調和のあいだから、お送りしたいと思います。
みなさま、良いお年をお迎えくださいませ!また明日から、笑って会いましょう。